男親としての育児

第13回 おしゃべり広場にいらっしゃ〜い!

2月28日(火)、第13回おしゃべり広場を中央コミュミティーセンター第3会議室で開催

しました。今回は「山彦の会」会長、及び、「当事者部会」部会長を務める百瀬善光さん

に、男親としての育児への関わり方についてご意見を伺いました。


  司会進行          高橋幸三郎氏(東京家政学院大学教授 家族支援研究会)
  ゲストスピーカー 百瀬善光氏(山彦の会会長/自立支援協議会当事者部会 部会長)

 《百瀬さんのお話》

  育児へのかかわり
 
  息子が1歳8ヶ月の頃、言葉が増えないのが気になり、相談機関や病院等を周り始めました。障害があることがわかり、

  その後、紹介された武蔵野東学園と教育方針が一致したので、当時住んでいた大森から武蔵野市に転居し、息子を入

  園させました。

  小学校に上がる頃、職場の上司に事情を説明し、息子との時間を作りたい旨を伝えました。幸い、職場の理解を得られ、

  それからは 仕事の休みは全て息子のために費やすなど、子育てにも懸命に取り組みました。家内と協力していく中で、

  我が家では次の点を実  践しました。


 (1)健康な体を作る→歩かせる 

 (2)自分のことは自分でやらせる→自立作業 

 (3)勉強させる

   健康、自立作業、勉強などを子どもにさせることは、将来、子どもだけでなく、親を助けることになります。徹底させるには

   様々な苦労がありましたが、それなりに結果は出してきたと思います。特に健康に関しては、足が弱かった息子も、今では

   7時間競歩にも耐えられるようになり、大変健康になりました。自立作業に関しては、着替えは完璧で、料理の手伝い、食

   事の用意から片付けまでできるようになりました。家内も助かっていると思います。食器の片付けに関しては、最初の頃は

   お皿を割ってしまうことはしょっちゅうでしたが、「怒ってはいけない」を合言葉に、「将来は楽をしよう」という思いで頑張って

   きました。

   これまで私は子育てに参加してきたつもりです。しかし、世間の男親の育児への参加度はまだ低いように感じています。

   男親が子どものことを考えていないということはないと思いますが、どうしてなのでしょう? それは私にもわかりません。

   でも、もっと出てきてほしいですね。

   母親と父親の役目はそれぞれあると思います。ご家庭でも色々あると思いますが、我が家の場合は、とにかく私が方針を

   立て、夫婦で話し合い、家内がそれを実践してきました。私自身は息子の体洗いや自転車乗りといった男親ならではのこ

   とを役目としてやってきました。 

子どもの今後を考える

  息子は将来、誰かに介護をお願いしなければなりません。その時に、「介護人に迷惑をかけないように」と、我が家では

   
歯磨きからお風呂までの生活が一人でできるように特訓しています。それは親がいなくなった時、
   
   介護人に叱られることが 一番かわいそうだと思うからです。身の回りのことを出来るようにしておけば、たとえ施設に

   入っても叱られることは少なくなるでしょう。その為にも「できることは自分でやれるようにする」というのが、私たち夫婦の

   今の願いです。

   また、この子たちは虫歯になってもすぐに訴えることが出来ませんので、発見が遅くなると大変なことになります。

   ですから、歯磨きは念入りにやらせました。徹底した結果、この40年間虫歯は一本もありません。

  人が生きていくために、もう一つ大切なのが
住む家があることです。家賃などを払い続けることができないので、本拠地

   だけは確保したいと家を建てました。後は健康に留意し、自立のために努力を続けることを考えています。

   私は子どもには自立のために、たくさんの体験をさせることが大切だと思っています。我が家でも積極的に外にでるように

   心がけてきました。それは親亡き後、自律生活ができるようにする必要があるからです。最近ではケアホームに入ることが

   決まったのに、親が子離れできなかったり、子どもが親や家から離れるのを嫌がったりして入居を断る例が多いそうです。

   子どもの将来を考えるならば、機会のあるごとに外に出して、様々なことを体験させてほしいですね。

   自立支援協議会当事者部会では、障害を持つ本人たちと話します。私は親の立場でどんどん話をしていますが、先日、

   当事者たちに「あなたの考えていることと私たちが思うことは違う」と言われ、ハッとしたことがありました。私はこれまで子ど

   もの気持ちを考えてきたかなあ、と反省した出来事でした。

これからの取り組みとして

  震災後、4ヶ所の講演を聞きましたが、一番衝撃的だったのは世田谷で行われた講演会の話でした。奇声をあげるという

   理由や排せつの関係で、障害者が避難所に受け入れてもらえなかったというのです。その人たちは仕方なく近くのバスの

   中で過ごしたそうです。また、食事をもらいに行っても、避難所に名前の登録がなかったため、拒否されたそうです。

   同じ地域の住民なのに、何故、そんな差別があるのか、聞いていて心配になりました。

  この話を聞き、嘆いてばかりもいられないので、地域に親しみ、住人たちと知り合いになろうと、様々な地域活動に参加する

   ようになりました。活動を通し、「最後でいいから、何かあった時には助けてもらえたら」と願っています。

  武蔵野市には障害者の施設がありません。足立区にあるような高齢者と障害者が同居するような施設でもあればと願って

   います。私もその力になればと考えています。



《参加者の意見》

 ◎親を含め、家族皆が現実から目をそらしている。今は自分一人で抱えている感じがあり、もっと家族がかかわってくれたら
    嬉しい。
 
 現在は普通級に通っているが、本人が無理をしているように感じ、どうしたらいいのか悩んでいる。学校にいる間はなんと
    かなるかもしれないが、その先のことを考えると不安になる。

 療育にもっと力を入れていくべきかどうかの判断ができない。親にカミングアウトしたが、「よくなるんじゃないか」と言われた
    り、きちんとわかってもらえないのも悩み。今の状態では母親の自分にすべての負担がかかってくるのが辛い。

 ◎その子自体の状態を周囲の人が同じように理解できるようになれば楽になる。学校に対しても、「これはうちの子には
    あわない」と思ったら、意見を言っていかなければいけない。

 小学生の頃が一番悩んでいた。これだと決めてしまえればぶれなくなる。辛いと思うと辛くなる。母親が元気でいると
    子どもも変わ ってくると思う。

 ◎子どものことに関し、夫の親が子供の個性として捉えてくれたことが助かった。

 ◎子どもの症状がわかった時、人に辛いことを吐き出して楽になったという経験がある。「この子は幸せになるために
    生まれてきた」と言われ、救われた。第三者のいる場所で夫婦で話し合うといいと思う。

 ◎選択肢を与えられても、自分の中に判断材料がなくて困ることがある。継続してその子の状態を見て、その子を理解
    してくれる専門家がいることがとても大切だと思った。

 ◎親は子どもに代わって判断しなければいけないけれど、その判断に誤りがあったらと思うと決断しかねる時がある。
    そんな時は背中を押してくれる専門家の意見がとても大切だと思う。

 ◎家の中では元気な母親役を演じている。でも、一人で抱えているものもある。それを吐き出せる場の大切さや皆で
    集まることの意義も実感した。

 ◎障害を持っている子も社会参加の喜びを持っている。小さなコミュニティーでいいので、子どもたちにも社会参加の喜びを
    感じさせたいと思う。行政は結果を出さないと補助してくれないので、自分たちで何かを作っていかなければいけないと思う。
 
 ◎
この会に参加して、いろんな糸口が見えてきて心が軽くなった。

 「子どもを放しなさい」と言われるけれど、預ける場が足りないので出せないのが現状。

 ◎「地域の人に受け入れてもらえるように」と意識はしているが、既に180センチ以上も背がある子をいきなり引き合わせるのは
    受 け手側も抵抗があると思うので、いい方法がないかと思案している。

 ◎武蔵野市に越してきてから誰に相談していいのかがわからない。地域によって支援の仕方も違うようで、どうしたらいいの
    かわからず困っている。



《最後の言葉−古野さん》

   男親の育児への協力度が低いというのが問題になっていますが、世の父親たちも気持ちはあってもなかなか積極的に
   
   いかない面もあると思います。こんな言い方をしたら女親に怒られるかもしれませんが、母親の方からも父親にもっと
   
   働きかけてもらえると、よりスムーズにいくのではないかと感じました。現在、ケアホームでの待遇、生活を質の高いもの
   
   にするなど様々な問題を抱えています。今後も親同士の交流を深め、地域としてもつながって、これらの問題点を改善
   
   していけたらと思います。

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さくら